サイバーユニオン

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新社会人へ
入社して約1カ月、初めてのお給料を受けとって社会人としての自覚が出てきたのではないでしょうか。仕事や職場に徐々に慣れてくると、さまざまな疑問やこんなはずじゃなかったというようなことが起きてくるかもしれません。そうなっても周りには聞きにくいものです。そこで働くことで「損」をしないための知識として3つのことを発信します。参考にしてください。
  1. 給与明細の見方(2015/4/26)
  2. 就職とはどういうことか(2015/4/28)
  3. 労働組合は会社の健康診断をしている(2015/5/22、5/25修正)

1.給与明細の見方

初めてのお給料は誰しもうれしいものです。だから支給額だけ見て、後は目に入らなかったのではありませんか。ところで給与明細には何が書いてあるかご存知ですか。

給与明細には1カ月の自分の働きと稼ぎ(給料)が書いてあります。そして税金や社会保障など自分がどれだけ社会的義務を果たしているのか、社会への参加状況も表しています。加えて給与明細はあなたがピンチのときに、いろいろなことの証明となる救世主のようなもの、だから長期保存することが大事です。そんな情報満載の給与明細、それを見るだけでも会社や社会のことがわかってきます。知らないと損をすることにもなりかねません。


給与明細に記されているのは大きく分けて3つ
まず給料(=賃金)は会社ごとに違います。そのため給与明細書の書式も会社ごとにさまざまです。早速、その見方を紹介しましょう。給与明細に記されているのは大きく分けて次の3つです。
 勤務状況  出勤日数や残業時間などを明示する欄
 支給額  基本給や手当など会社が支払う額を記す欄
 控除額  税金や社会保険料など給与から天引きされる額が並ぶ欄


給与明細のチェックポイント
支給額と勤務状況でしっかり見たいのは残業時間や休日出勤、時間や日数は違っていませんか。また単なる計算ミスもあるから残業手当は賃金の1.25倍以上、休日出勤手当は1.35倍以上と法律で定められています。間違いがないか確認しましょう。
手当は各社によって呼び名も種類もさまざまです。手当によっては一時金(=賞与、ボーナス)や退職金の基礎額に反映させる会社もあります。
新入社員にとって特に重要なのは控除部分
住民税は今回引かれていますか。住民税というのは前年の所得を基に計算されるため、昨年働いていなければ今年はかかりません。しかし来年の6月の給与からは天引きされるようになります。つまり、来年は手取りが減る、少なくなるからやりくりしないとね。
それから厚生年金や健康保険の保険料は、初任給では引かれてないことが多いのです。この2つを合わせて社会保険料といいますが、社会保険料を4月に引かれていない人は、翌月から引かれることになります。初任給の手取りが思ったより多くても喜んでばかりはいられません。翌月から引かれることを考えると金額が大きいだけにお財布へのダメージも大きいのです。
初任給では引かれなくても、負担しなければならないものがあることを想定してお財布のやりくりを考えましょう。


知っていると安心
 健康保険 健康保険とは、働く人が業務外の理由で病気やケガをしたとき、出産したとき、亡くなったとき、さらに、その家族が病気やケガをしたとき、出産したとき、亡くなったときに医療給付や手当金などを支給して、生活を安定させることを目的にした社会保険の制度です。具体的には、
病気やケガで医者にかかったときの自己負担が医療費の3割になる。
病気やケガの治療で働けず収入がなくなったときに最長1年6カ月にわたって、傷病手当金(給料の3分の2程度)が支給される。
出産で仕事を休み、給与支払いを受けなかった場合も、出産前後の一定期間内の休業期間を対象に、「出産手当金(給料の3分の2程度)」が支払われる。
重い病気などで病院等に長期入院したり、治療が長引く場合には、高額療養費制度で自己負担限度額がきまっている。
 厚生年金 厚生年金保険とは、老齢になって働けなくなったとき、障害の状態になったとき、亡くなったときに、保険給付を行い、働く者やその遺族の生活の安定と福祉の向上を目的とした長期的な給付を行う制度です。
65歳(老齢)からの生活保障としての年金。
障害を負ったときの年金や死亡時の遺族への年金支給などは、入社直後から対象になることもある
 雇用保険 雇用保険とは、働く者が失業したとき、育児・介護休業を取るとき、教育訓練を受けたいときなどに、国が必要な給付をする制度です。
会社都合の退職だけでなく自己都合による退職でも生活の助けになりうる。
給付日数は加入期間によって違うが、辞める前、雇用保険に1年以上加入していれば、給料の50~80%程度が支給される。

会社に勤務していても、語学やパソコンなどを学ぶ際の学費の補助としても活用できる場合もある。
〔2015年4月26日掲載〕

2.就職とはどういうことか

会社に「就職する」ということは、ある一定の条件のもとに会社と契約を結ぶことです
会社に入るとき、契約書などにサインしたのを覚えていますか。
入社できた喜びで、契約書や就業規則なんてあまり読まなかったかもしれませんね。働くときのルールはあなたが見過ごした労働契約書や就業規則に書いてあります。この契約によって、あなたには働く義務が生じますし、会社には業務命令する権利が発生します。

よく就職したら会社の言うことは絶対だと思い込んでいる人がいますが、会社は何でもかんでも業務命令できるわけではありません。働くときのルールとして、業務命令は「契約の範囲内で」という制限が設けられています。また、解雇や制裁についても会社が自由に行えるものではありません。それが契約内容に入っていて、はじめて働くときのルールになるのです。

サイバーユニオンにアクセスしたあなたはラッキーですよ。さっそく働くときのルールをチェックしてみましょう。これさえ知っておけば、職場のトラブルはかなり予防できます。

全30項目すべてに答えられないからといって(;_;)悲しまないでください。このような項目が大切なのだと知っているだけで働くときの心構えが違ってきます。就職とは、会社とどんな関係になることなのか。会社と会社で働く自分との関係はどうなのかを、ちょっと大人の視点で見ることができるようになるかもしれません。

働くときの知っ得30項目
下の表の各項目についてあなたが把握していることが大切です。まだご存じでない場合は、契約内容を確認する必要がありますが、会社への印象が悪くなる可能性を秘めていますので、こちらにご相談ください。

契約 1.あなたが契約をした相手は誰なのか
2.契約期間は無期なのか有期なのか、有期の場合はいつからいつまでなのか
 仕事 3.仕事をする場所
4.仕事の内容

※配属がきまってから確認しましょう。
 労働時間 5.始業・終業時刻(仕事の始めと終わりの時刻)
6.残業の有無
7.休憩時間
8.休日
9.年次有給休暇
10.その他の休暇(有給なのか、無給なのか)
11.交替制の場合は、勤務のローテーション
 賃金 12.賃金の決定
13.計算の仕方(普通残業や深夜業、休日出勤の割増率など)
14.賃金締切日
15.賃金支払日
16.支払いの方法
17.昇給の有無
 一時金
(賞与)
18.一時金(賞与)の有無
19.一時金(賞与)の支給条件(例:在籍支給など)
 退職金 20.退職金の有無
21.退職金の支給条件(確実に受け取れるような条件になっているかどうかとか、会社都合と自己都合の退職とでは支給額が異なるのかどうかなど)
 社会保険等 22.社会保険への加入状況(健康保険、厚生年金、厚生年金基金)
23.雇用保険の加入状況
 退職
(解雇含む)
24.自己都合退職の手続き
25.解雇の場合、どういうときに解雇されるのか解雇事由
26.定年制の有無
27.定年年齢
28.継続雇用制度の有無
表彰・制裁に
関する事項
29.どんなときに表彰され、制裁を受けるのか(就業規則の賞罰規程等に記載)
 休職 30.休職制度の有無と内容

働くことでの質問や疑問、悩みなど気軽にご相談ください
メインメニューの「語り合おう」ならブログ形式でやり取りできます。
Eメールや携帯・スマホの場合は、会員の方はサイバーユニオンに、組合員・準組合員は東京一般の各ブロックに、一般の方は右上の”お助けねっと”にアクセスしてください。

〔2015年4月28日掲載〕

3.労働組合は会社の健康診断をしている

労働組合とは
新社会人のみなさんは「労働組合」と聞いても、「ロードークミアイ??」、「なんのこっちゃ!?」、「イメージがわかない」、「知らない」という人がほとんどでしょう。しかし労働組合というのは、会社と対等な立場で労働条件をきめるには欠かせません。しかも、職場の不安や不満・悩みなどを相談して解決にむけていっしょにとりくんでくれる力強い存在でもあります。

あなたが入社時に結んだ労働契約や就業規則などの労働条件は主だったものだけでも62項目以上に及びます。ところが、その労働条件が守られる保障はどこにもないのです。厚生労働省が2014年5月に公表した資料によると、2013年度の労働相談件数は1,050,042件で、労働相談は6年連続で100万件を超え、高止まりしているということです。この数字を見ると職場のトラブルというのは珍しいことではありません。しかしトラブルが起きてから出来ることは非常にかぎられています。

労働組合は組合員の雇用と生活を守り、このような職場のトラブルを未然に防ぐために、会社と労働協約を結んだ労働条件が守られているかどうか。憲法や労働法に規定されている働く者の権利が守られているかどうか。職場が民主的に運営されているかどうか。あるいは会社の経営状況はどうかなど、会社や職場の健全性を定期的に健康診断しています。もしも不調がみつかれば団体交渉を申し込み事情説明を求めるなど、早期発見早期対応にむけた活動を日常的にとりくんでいます。

さて、新社会人のみなさんはそろそろ会社に慣れてくる頃ですね。社内でさまざまな制約を受けたり、経営者や上司との関係に支配従属感を覚えたりと、理想と現実のギャップに直面して戸惑うことばかりではありませんか。

労働組合は「社会の学校」ともいわれます。それはなぜかというと、労働組合は社会の仕組みや働くときのルール、働く人の権利に関する知識の提供、悩み相談など、会社でも家庭でも安心して労働生活を送れるような支援を行っているからです。

労働組合は憲法で認められている
最後に、労働組合をつくること、そして労働組合をつくって会社と対等な立場に立って交渉することは、憲法が認めている基本的人権の1つです。

労働組合は、労働者が自分たちの利益を守るために自主的につくるもので、政府や使用者(経営者)からどのような組合をつくるか、どのような組合に加入するかについて干渉される必要はありません。またその組合をどのように運営し、どのような活動をするかも、組合員が自由に決めるべきことで、政府や使用者(経営者)がこれに干渉してはならないのです。

ところで、このように自由に団体をつくり、自由に活動ができ、政府がこれに干渉してはならないということは何も労働組合にかぎったことではありません。政党や宗教団体、青年団や女性団体、野球チームや囲碁・将棋クラブ、ゴルフや旅行の同好会、商店連合会に、業者団体、学校の同窓会やクラス会なども同じです。このような市民活動、趣味娯楽のため、あるいは職業利益を守るための団体をつくり、どのような活動を行うかは全く私たちの自由であり、これに加入する・しないは個人の自由意思です。政府に干渉されることではありません。

このように団体結成、団体活動、団体加入の自由は、私たち国民の市民生活の自由の基本的なものであり、憲法21条で結社の自由という形で、言論・出版・集会の自由などとともに、基本的人権として保障されています。労働者も日本国民である以上、このような結社の自由を有し、労働組合の結成、組合の活動、組合への加入などについて政府や使用者(経営者)から干渉をうけないのは当然のことです。

そして憲法28条は、21条の結社の自由とは別に、労働者に対して団結権を保障しています。つまり、労働組合にだけ他の市民団体とは異なる特別の保護を認めています。それはなぜかというと、労働者が個人としては経営者に対して対等にものがいえないというところに重要な意味があるからです。

22日の夕刊に「所得格差、世界で拡大。80年代7倍→13年は9.6倍、日本は10.7倍(11年)」という記事がありました。内容は、富裕層上位10%と貧困層下位10%の所得を比べると、OECD(経済協力開発機構)平均では9.6倍に格差が広がり、大半の国では格差は過去30年で最大になっていた。OECDは背景として、非正規雇用などが増えていることを挙げ、格差拡大は長期の経済成長を妨げているとしてその対策へのとりくみを呼びかけたものです。

この記事からもわかるように、資本主義社会では、 自由競争の結果、経済的強者と経済的弱者との間に所得格差が生じ、契約自由の名のもとに契約条件の一方的おしつけが経済的強者によって行われ、契約は事実上不自由なものとなり、自由・平等の名のもとに事実上の支配関係が生まれるようになったのです。

労働組合は、働く者自らの力で経済的強者たる経営者と対等の立場で交渉する地位に立つことによって、契約の自由の名のもとに経済的強者から一方的におしつけられる労働条件を集団の力で実質的に回復しようとするものです。

具体的な組合活動としては、賃金や労働時間などの労働条件を明確にし、納得できる労働条件で働いたり、人間関係の改善を図り、明るい職場にしたり、将来に希望のある会社をめざしたりと、働きやすい会社や職場づくりに奮闘しています。

新社会人のあなたが、労働組合の組合員として、この活動にとりくむことは、労働者として、とても大事なこと、必要なことです。サイバーユニオンは、その点、プレ五輪ならぬプレ労働組合といった感じで、労働組合がどういう活動をしているのか、その一端を発信しています。ときどきアクセスしてくださいね。
〔2015年5月22日掲載、5月25日修正〕